角川ホラー文庫/ひだり

今回は読んだ小説のレビューをかく。

『ひだり』とは倉阪鬼一郎の『うしろ』『すきま』に続く
タイトルがひらがな三文字のホラー小説である。

舞台は小さな町だ。
祭事・神事についての解説が多いので
だらだらと読むだけになるかなと思ったが
『ひだり』とは何なのか、なぜ『ひだり』を隠すのか
という疑問と絡み合うことでそれらが引き立っていた。
また、状況を現す文章が優れているせいか
読んでいるとふっと映像が浮かんできて
それは夢の中で景色を見ている状態と
少し似ていると思った。

「ひだり」はプロローグとエピローグ、その間の
「一」から「十」までの話で構成されている。

私は「一」で町の雰囲気を過去の経験と照らし合わせて映像化した。

私は「六」でこれから起こる痛ましいことを予測できた。

私は「九」で激しい怒りとともに完全に主人公と同調した。
このとき小説の中で「ころせ」とつぶやいた。

私は「十」でアニメ化が始まったのかとおもった。




角川ホラー文庫/ひだり
倉阪鬼一郎



この小説では単語を強調する際に『』ではなく「」を使う。
自分はどこで覚えたのか定かではないが
台詞と単語をくくる括弧は区別するようにしていた。
しかしわざわざ『』にしなくても混同することはないし、
台詞よりも単語がことさら文の中で目立つよりは
自然な流れで読めるような気がした。
それを検証するためにこのレビューの最初では
『』を残したままにしてある

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