であ、しゅとぅるむ展について
ここに一冊の本があります。本の名前は「IDEE」。
ひょっとしたら20万人の内、1人は見たことあるかもしれません。
そして、同人誌「IDEE」の中に収録されていた「肉詰製作所」
という漫画がありました。100万人に1人くらいは知っているかもしれません。
実は今回の展示、そんなマイナーな本、漫画に焦点を当てているのです。
「肉詰製作所」だけではありません。聞いたことの無いような、どこに
売っているのかもわからないような不思議な本たちが並びます。古代人が
作った石器や土器のように丁重に一段高いところに置かれ、そこから家計図
のように本を祖として影響を受けて作成された作品群や人物との関連性が
次々と浮かび上がっていくことでしょう。
私は新作の17ページフルカラーの漫画絵本「肉バス」を展示します。
これは原画をそのまま綴じて本にしています。
内容は「肉詰製作所」を受けて現在の私が描いた肉詰モノです。
作業環境を再現するということで使用した道具やメモ、スケッチも
会場で見ることができます。
「肉詰製作所」(2001)→アフタヌーンに投稿しようとしてネームだけ
描いた幻の肉詰漫画(2004)→「がぶ飲み肉詰」動画(2012)→「肉バス」(2013)
という肉詰系の流れがありますが、今回の展示で主に提示するのは
新作の漫画絵本「肉バス」のみとなっています。2004年のネームを
紛失したのと、会場で映像として流す動画はtutoaの「肉詰工場」の
展示に絞ることになったからです。
「肉バス」の内容としては京都の山スタへ行ったときの道の雰囲気、
空より真っ黒な山の気配、tutoaの既刊「肉詰工場」の工場のような
もの、夢で何度か行き来している街、「IDEE」世界からの繋ぎ、
岡山観、道東感を詰めました。ぜひ手にとってごらんください。
実は私とtutoaが参加しているブースは「であ、しゅとぅるむ展」宇宙
のうちの一つを占める「山本悠とZINEOFF」惑星圏であることも忘れ
てはいけません。これまでの作品に関係する物の博物学的展示をしたい
という山本氏の希望に対して、なぜか新作を作ると言い出し、物の関連性
をぶっちぎりそうになった私たちにはまだまだ悪臭が足りないのです。
場所 Venue名古屋市民ギャラリー矢田 第1展示室 Nagoya Citizens' Gallery Yada
開館時間 Open Hours9:30-19:00(14日、20日は17:00まで)
休館日 Closed15日(火)
企画 Curation筒井宏樹 Hiroki Tsutsui
追記:作品の製作方法
1ベニヤ板に画用紙水張り
2ボールペン
3水彩絵具またはガッシュ
4アクリル絵具
5サクラクレパス
6アイロンで定着
7サクラクレパス
8フィクサチーフで定着
9紙工用ボンドで製本