メモ「買った電子書籍はブログに埋め込めないのか?」

 『購入した電子書籍にメモを書き込みたい』とかいう要望は
EVERNOTEを利用するとか、リーダーに機能がついてたりして
そこそこ満たされているのかもしれない。

では、
『購入した電子書籍の内容やそれについて書いたメモを自分のブログで公開したい
という要望はどうだろうか?

ブログ上で何か文を書いたりまとめをするときに、とある本のこのページをそのまま
引用したいということや、ある漫画のこのコマで笑ったっというのを自分の感想付きで
貼りたいときがある。

Google Booksパブリックドメインのものに関してはそれが近い形で叶えられている。




こんなふうに好きなところでクリップ(切り取り)してブログに埋めこむことができるのだ。
これが可能なのは確認できる範囲でGoogle Books内の全文表示可な本だけだ。
そして全文表示可であるものは大抵パブリックドメインの古い本であることがわかる。
では、新しい本はどうなっているのか。下の本を見ればわかる。





一方、全文表示ではなく限定表示で著作権が切れていない書籍(新しい本)では
youtubeの動画を貼って再生開始位置を指定して埋めこむのに似た形で、
リンクで選択したページを開始位置としてスクロール可能な本として埋めこむことができる。
クリップ機能は選択することができない。


ここまでを踏まえた上で
購入した電子書籍をなんとかしてブログに埋め込みたいという視点で
書いてこうと思う

[高画質で再生]

【MAG】とある戦場リポーターの 非公開日誌 No.015【PS3】 [拍手]

 上の動画はFC2動画の有料会員でないと5秒間しか見ることができない。
動画を直接見に行くアップロードした人の解説と、コメントは見れる。

映像の中身についてどうこう言いたいのではなく、この仕組を利用して
買った電子書籍はブログに貼り付けることはできないのか?と言いたかったのだ。

次に以下の図を見てもらいたい。
この図はオンラインで閲覧可能な電子書籍というのが前提で、
電子書籍を購入した人が自分のブログに埋め込んだ表示例を示している。
オレンジ色の部分はブログ主のメモの部分である。




これだけではいまいちなにを言いたかったのか伝わらないだろう。
具体例をあげることにする。

とあるブログ主の"私"が「糞漫」という電子書籍を買って、
それをブログに埋め込んだする。するとそのブログにアクセスする人は

・「糞漫」を買った"私"→"私"のブログの記事と埋めこまれた「糞漫」が読める
・「糞漫」を買った人→"私"のブログの記事と埋めこまれた「糞漫」が読める
・「糞漫」を買ってない人→"私"のブログの記事だけ読める

の三パターンがあげられる。『「糞漫」を買っていない人』には埋めこまれた「糞漫」の
表示枠のラインとFC2動画のような「有料会員に参加しますか?」という表示がみえる
だけとなるが、ブログの作者の感想やメモや書かれた絵は通常通り閲覧できるわけだ。

しつこいがその例を改めて図でみてみよう。

 左も右も購入した人の画面。今回はクリップを使わずに直接ページ全体を埋め込んだ。
また、『メモレイヤー』機能を使いブログの作者が電子書籍本文を下敷きにしてメモを作成した。
閲覧者はこれをニコニコ動画のコメントのようにボタンでON、OFFすることができる。
それでは、電子書籍を購入していない人の画面はどうなっているのだろうか?


こんなふうになる。ブログ作者のレイヤー上のメモは表示することが可能だが、
やはり書籍の内容は表示されない。カーソルをメモの上に置くと
「電子書籍を購入してください」という旨のリンクボタンがでるようになる。

次の図は同じく「糞漫」をクリップして貼ったときの例。
メモレイヤーは使わず、通常のブログと同じように絵を貼り付けて文章を書いた状態だ。


 左は「糞漫」を購入した人の画面、右は「糞漫」を購入していない人の画面
右は電子書籍を購入してくださいという旨のメッセージのリンクボタンに切り替わっている。
(本によっては公式な限定表示が可能な範囲だけ表示されるかもしれない)

埋め込んだ本文はオプションによって作品元情報の説明の肩書き有り、無しも設定
できるし、埋め込み動画についてるリンクからYoutube本サイトで動画を再生するみたいに
電子書籍のデータがおかれている本サイトへアクセスして読むこともできる。
このシステム内にいる限りはブログの主が電子書籍の一部を貼って自分の描いたものだと
捏造したとしても転載元は常にしっかりとしており揺らぐことはない。


これで、電子書籍を購入すると
『自分のブログにかなり自由な範囲で貼ることができるようになる』
『誰かのブログに貼られている電子書籍をメモ付きで楽しむことができるようになる』
というメリットが生まれる。

買ったか否かという情報をどう扱うのかということについて。
仮にGoogle Booksでこういったことができるとすれば
FC2動画でログインするようにBloggerにログインすればGoogleのアカウント認証で
本を買ったかどうかを判断できるだろう。アカウントの認証情報の共有ができるなら
他のブログでも可能かもしれない。

以上、ここまでがこんなことできたらいいな!!!!というアイデアでした。



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ここからはそれを行うときに関わってくる著作権について考えてみる。

著作権は作品を作ったときから自動的に生まれる、

一つは著作者人格権
もう一つは著作権(財産権)


wikiより引用
同一性保持権(どういつせいほじけん)とは、著作者人格権の一種であり、著作物及びその題号につき著作者著作権者ではないことに注意)の意に反して変更、切除その他の改変を禁止することができる権利のことをいう(日本の著作権法20条1項前段。以下、特に断らない限り、引用法令は日本のもの)。

ブログに第三者が著作物を埋め込む行為のうち、『クリップして好きなところを貼る』
というのは『著作者の意に反して変更、切除その他の改変をする』に含まれると思われる。
だからこのサービスを実行するには電子書籍を扱うサービス提供者と著作者の間で
あらかじめ著作者人格権の同一性保持権に関する部分的な許諾と、
著作権(財産権)のうち

著作権複製権 (無断で複製されない権利)
サービス提供者は作品のサーバーへの蓄積が必要

公衆送信権等 (無断で公衆に送信されない権利)
サービス提供者は作品のサーバーへのアップロードといった『送信可能化』や
『インターネットを通じた自動公衆送信』することが必要
*公衆の定義=『不特定の人』、または『特定多数の人』
電子書籍を購入した人なら誰にでも情報を送信するので『不特定の人』という公衆あての扱い
になるだろう

購入した電子書籍のメモレイヤー上に文章や図や絵を書き込んだり、『クリップして
好きなところを貼る』のは『翻訳』『変形』によって二次的著作物を作成していることになりそう
なので必要

二次的著作物の使用権(無断で二次的著作物を利用されない権利)
ブログの作者が購入した電子書籍をブログに埋め込んで文章や図や絵を書きこんだものは
二次的著作物であるとすると、それを第三者(同じ電子書籍を買った人)が閲覧(使用)しようと
するにはこの権利が必要になりそうだ

といった著作権(財産権)を、期間や条件などを
設定した上で『著作権の譲渡』の契約を行う必要がありそうだ。


無料で公開されている動画や有料の動画そのものや一部(例えば10秒~12秒)を
PCソフトで編集して再アップロードして人に広く公開するというのはあかんというのはわかる。

一方、Youtubeだけでなくほとんどの動画サイトで公開されている動画をブログに埋めこむ
ことは現在普通に行われていることだ。また、動画の開始位置指定した状態での埋込み、
リンクの抽出も可能になっている。


上はyoutubeの動画のアドレスに #t=20sと付け加えることで
埋め込んだ動画の開始再生位置を20秒から始められるようになっている。

しかし動画自体を変更、切除したわけではないので20秒以前のパートにも
普通にアクセスできる。これに関しては
同一性保持権(作者の意に反する切除、変更、そのほかの改変)
の侵害はないのだとおもう。

この仕組とほぼ一緒の考え方をしているとおもうのが
Google Booksの『開始ページ位置』を変更するやり方だと思う。





上の本は2010年に出版されたもので、Google Booksでは限定表示で見ることができる。
そして、14ページ目をページ開始位置として埋め込んでいるのだ。
もちろん本自体を変更、切除したものではないので14ページ以前も閲覧できる。
これに関しても同一性保持権の侵害はないのだとおもう。

ここで、最初の画像に戻る。

この本自体をトリミング(クリップした)して貼りつけた形は、クリックすれば元の本に
アクセスできるとはいえ元の著作物を『変更、切除』したということになってしまい
同一性保持権の侵害の可能性があるかもしれない。
だから現在のGoogle Booksではパブリックドメインのものだけがクリップできる
状態になっているということなんじゃないかなあ、と思った。

おさらいをすると著作物を作った著作者は最初に著作人格権著作権(財産権)
を持つが著作権(財産権)は細かく設定して譲ることができる。
出版社が本を出版するにあたり著作者から
一部の著作権を譲り受けたり何らかの契約を結んでいる可能性は高いだろう。

だからGoogle Booksに載っている限定表示可能な本は出版社に著作権があり、
その出版社と契約してGoogleは公衆送信する権利などを一部条件付きで譲渡されてると
おもうのだ。

けれど著作人格権についてのある程度の許諾が原作の著作者と出版社の間で契約
されてたとしても、第三者であるGoogleみたいなウェブサービスが関わることに関しては
想定外なことで契約されてなかったとする。

そうするとGoogleのクリップ機能を使って第三者が部分的に貼りつけたものをブログに
埋め込んでいると、原作の著作者は「わたしの作品が勝手にバラバラにされてる!
著作人格権の同一性保持権の侵害に当たる!」って訴えることもあるだろう。

でも現在ではGoogle Booksみたいなサービスがあるってことを出版社や著作者も
認識してるわけで、三者全てをひっくるめて著作権についての契約ができたならば
『購入した電子書籍の内容やそれについて書いたメモを自分のブログで公開したい』
ということが実現するかもしれない、と思った。

きっとパブリックドメイン以降のこれまでの著作物に関してはとんでもない労力になるん
だろうな・・・たくさん調べてたら疲れてしまった。
先に自分のアイデアを書いてよかった。
著作権のほうを先に見てたら何も思いつかなかっただろう・・・。
そしてわたしは著作権について知らないことが多すぎたし、現在もわからないこと
でいっぱいだ。
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その他の情報


そのほか『クリップ』に関わる著作権の譲渡について
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/keiyaku_manual/1_1_2.html 
<1>(カ)の契約期間については異義がなければ自動更新でいいとおもうが、
契約が万が一終了した場合、埋め込み電子書籍を目安に書いていたメモや
ブログに配置していた画像は全て消えてしまうことになり、
ブログの作者はむなしさをおぼえるだろう。
画像が消えても、本自体の何ページのどの座標をクリップしたのかという情報や
どのページにリンクしたのかという情報はログとして残しておくことはできないのだろか?


映画のトリミングの同一性保持権侵害性が問題となった事例
イラストの改変行為を同一性保持権侵害と認定した事例(3)


出版権の設定について
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/text/pdf/chosaku_text_110602.pdf#page=54

引用の例外について
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/text/pdf/chosaku_text_110602.pdf#page71

著作権の譲渡について
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/text/pdf/chosaku_text_110602.pdf#page=53
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/text/pdf/chosaku_text_110602.pdf#80

文化庁の登録制度の『著作権・著作隣接権の移転などの登録』を利用
すればさらに取引の安全の確保ができるということだ。
これは著作権の一件につき18000円を支払わなければいけない。
もしも100個の原作との間でこの登録をしようと思えば180万円・・・
平成23年だけだと現在43個の登録があった。(ほとんどカラオケの歌だとおもう)

http://www.google.com/support/youtube/bin/answer.py?answer=71011&hl=ja-JP
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参考にしたサイト
文化庁

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